深蒸し茶

会社概要

茶況

2017年7月13日
   二茶摘採を終了した茶園では病虫害の防除作業やナラシなどの茶園管理に取り組んでいます。 今年は総じて一茶・二茶の芽伸びが悪く全体的に芽数が少ないのが特長でした。 上の芽を基準にミル芽摘採した工場は下芽が刃に掛からないために収量減でしたが、 下芽が伸びるのを待って摘採した工場は増収ですが、コワ葉化して品質的には欠点が目立ちました。 芽伸びが悪かった要因は、昨年秋の干ばつや今年の春先の低温と少雨、 高樹齢と減肥による樹勢の衰えなど複合的な要因を指摘する声が聞かれます。
 産地問屋は仕入れした二番茶の整理と営業に努めていますが、二茶終了と同時に猛暑日となり受注は減少傾向です。 夏になると忙しくなるドリンク原料を扱う業者は県内業者の7%位ですが、大量の原料を少数のドリンク関連業者で 数量確保に動きますので底値圏に入りますと、ほとんどが予約の状態で価格は下がらない状況が続きます。
 消費地では「水出し煎茶」を中心に中元商戦を戦っていますが、消費者の財布のヒモは固いままで、 価格を安くして客を奪い合う消耗戦の様相です。小売店の苦戦は続き、今後の成長戦略は見通せていないのが現状です。 今後も店舗数と販売額の減少は続くと見られます。
 最近、私にとって大変ショックなでき事とうれしいでき事がありました。ショックなでき事は東京の急須問屋さんの廃業清算です。 急須が売れなくて市場規模の縮少から今後の経営改善の見込みがないと判断したようですが、 ペットボトル茶が主流となった現在の状況を象徴しているでき事です。うれしいでき事は、将棋の藤井四段が29連勝して、 その勝負メシ「豚キムチうどん」「ワンタンメン」等が話題になりましたが、飲み物は「ペットボトルのお茶」でした。 ペットボトルではありましたが、若い子がお茶を飲むシーンは、とても嬉しく感じました。 今後は湯飲みでお茶を飲むシーンを組合を通して演出してもらいたいものです。
 県立大経営情報学部の岩崎邦彦教授は緑茶が嫌いな日本人はほとんどいないのに業界が低迷しているのはなぜだろうと 疑問を投げかけています。「消費者の緑茶への支出が減少しているから茶業界は不振である」という話を聞くが本当だろうか。 原因と結果が逆かもしれない。「消費者にうまく対応できていないから緑茶への消費支出が減少している」という側面はないのであろうか。 時代は動いている。リーフ茶支出金額4168円に対して緑茶ドリンク飲料の支出金額は6632円になっており、 粉末茶やティーバッグは売れている。業界も進化する必要があるのではないか。好調企業の特性には次の5点が浮かび上がります。 ①ターゲット顧客が明確である ②商品に個性があり、核となる商品を有している ③オリジナルのスイーツの販売など緑茶のある生活シーンを提案している ④消費者の緑茶離れ、景気など、 外的要因に帰属させず自らがチャレンジ、創意工夫を続けている ⑤こういった好調企業には後継者がいる。
 緑茶は心も体も癒してくれる。健康志向や和食ブームなど時代の追い風も吹いている。 さあ、前に進もう!と茶の需要拡大のために呼びかけています。

価 格 帯

   6/10より始まった二番茶の仕入は7/10北遠の春野町の入荷をもって終了しました。 過去に記憶のない1カ月という長丁場の二番茶の仕入れとなりました。 普通二番茶の摘採は一番茶摘採後43日~45日後が目安ですが、今年は前半の雨不足と夜間の低温により芽伸びが遅く 45日~48日後の摘採となりました。生産量は生産者によってまちまちですが、総体では昨年並みの生産量に落ち着きそうです。 二茶需要は300円売以上の価格帯がリーフ向け、200円売以下の価格帯がドリンク原料用に大別されます。 低価格帯に入りますと買い手はドリンク関連業者を中心に決まった顔ぶれで価格は堅調なまま終盤を迎えました。 相場が堅調なため摘採を急ぐ気配は薄く6/21の雨後は生産量が一気に膨らみました。当社の二番茶仕入価格帯は下記のとおりです。

前年対比仕入K数  142%       仕入金額   166%

仕 入 比 率 前年対比(平成28年を100%とした場合)
300円 売以上     23 % 
250円 売     21 % 
200円 売     56 % 
150円 売     0 % 
325 %  
333 %  
155 %  
0 %   
100  %
    

   昨年よりも大幅な仕入増となりました。一番茶の仕入れ取引先農家が多いので、 一番茶に引き続き二番茶のサンプルが届き、商談や手合わせがありますので仕入量はどうしても多くなりがちです。 以前のような会社納品用がなくなりましたので、スーパー等の量販店向けの原材料となります。 昨年は不足気味でしたので、今年は不足を補って原料を確保しました。これから一年間掛けて販売に力が入ります。
九州の鹿児島県と福岡県の茶業視察から帰って来た県会議員の方が、視察状況を話してくれました。 その内容は、九州の生産者の皆さんは非常に元気がいいということです。「お茶の時代が到来した。これからがチャンスだ」と、 お茶を成長産業ととらえているようです。リーフ茶は低空飛行を続けていますが、 原料用抹茶、煎茶ティーバッグ、ドリンク原料などは、これから生産者の廃業が増え、 このままだとお茶が足りなくなると危惧する関係者もいるそうです。 静岡に帰りますとすぐに「お茶はダメだ、お茶はダメだ」との話に戻り戸惑ったそうです。 静岡はマイナス思考ですが九州はプラス思考のようです。最近、雑誌やテレビでも「お茶特集」を取り上げ、 緑茶の話題で盛り上がっています。そろそろお茶の時間の到来です。
 静岡県の発表した製茶指導取締条例の廃止方針が波紋を広げています。 県が廃止方針を決めた背景には食品衛生法や食品表示法の整備が進んだことがあります。 廃止しても食品衛生法で管理され、食品表示法で規定されるから条例は役割を終えたと判断したようです。 製造指導取締条例は施行から60年が経ち、今の時代に合わせてどうすることが適切か議論が求められています。