深蒸し茶

会社概要

茶況

令和元年5月21日
    一番茶の摘採を終了した茶園では、二番茶に向けた管理作業に入りました。化粧ならしや台切、防除や施肥が主な作業になりますが、その間に田植えや機械整備など忙しく働いています。  今年は低温と降雨不足の影響から芽伸びが鈍く、生葉収量のまとまった日が少なく、芽伸びを待って摘採を進めるような状態が続きましたので前年比2割~3割減と大幅な減産になりそうです。  操業日数も1日~2日短縮を余儀なくされた工場も多く減収と価格安から厳しいシーズンとなりました。  「お茶で生活できない状況になった」との声も聞かれます。毎日の買い手が決まっている工場は交渉に手間取ることなく取引はスムーズでしたが、売り先が日替わりで変わる工場は価格下落を避けられない状況が続き相場を下げました。
 産地問屋は仕上・発送作業をこなしながら販売増に向けた営業活動に力を入れています。取引先の閉店により上・中級茶の取り扱いも減少しています。  昨年は県の組合を廃業により18社退会しましたが、今年は退会者がさらに加速するのではといった声も聞かれます。立地の良いところは倉庫と工場を整地してマンションに建て替えて転廃業を選択するところも出て来ました。
 消費地では新茶商戦も終わり中元商戦の準備を進めています。毎年恒例の予約新茶を実施しているお店は前年並から若干減を確保できたようです。  店頭でパンフレットを手渡して予約をお薦めするとともに、パソコン入力した前年の送り先をリストアップして郵送したりして努力しています。  新茶販売も「八十八夜新茶」「グルメ新茶」「プレミアム新茶」などお店ごとのネーミングで特別感をアピールして好業績につなげているお店もあります。  好業績のお店は、とかく色々なことに熱心に取り組んでいます。
 政府は景気動向指数の基準判断を「緩やかに回復している」から「景気が後退悪化している」に6年2ヵ月ぶりに引き下げました。  中国が米国への報復措置となる対抗策に踏み切ったことで米中貿易摩擦は一段とエスカレートして世界経済に大きな影響が出ているからです。10月に予定される消費増税により景気はさらに落ち込む可能性があります。 
 茶業界は生活環境の変化による消費減により廃業・閉店が相次ぎ先行きの見えない苦境に立たされていますが、優等生であった地方銀行も行き先の見えない苦境に立たされています。  地方銀行78行の7割に当たる54行が赤字もしくは減益で厳しい経営状況にあります。  主な原因は超低金利の長期化、人口・企業数の減少、景気の減速、スルガ銀行問題後の不動産融資への急ブレーキなどで利ザヤが低下し収益悪化が続いて業績悪化が一段と進む可能性があります。  経営立て直しへ向けた抜本的な解決策は見つからず、新たなビジネスモデルの構築を急ぐ必要があります。  まさに茶業界も同様に、工場跡地を不動産業に、また自社倉庫を貸し出したり、レストランやカフェを併設あるいは新規出店したりと新たなビジネスモデル構築に努めていますが抜本的な解決策にはなっていないのが実情です。  リーフ茶が低迷して現在の状態を続けていては、いずれ廃業を迎えることは分かっていますが、新たなビジネスモデルの構築と次の一手のハッキリとした道筋は見えていません。先行きへの不安はますます募り岐路に立たされています。


価 帯 帯

4/22の市場開きより始まった今年の一番茶は5/20掛川の北30km春野町の有機茶の入荷をもって終了しました。 昨秋から続いた雨不足と春先の天候不順の影響で芽伸びが遅れ、芽伸びを待っての摘採となり収量が膨らまないまま終了を迎えました。操業日数も昨年より1日~2日短くピークの見えないままの一番茶期となりました。 結果、前年比2割減前後の大幅な減産が予想されます。大幅な減産にもかかわらず市場には活気がなく品質と価格を見極めて選択買いする商社が目立ち終始厳しい茶況となりました。売り手の定まっていない工場は特に苦戦しました。当社の一番茶仕入価格帯は下記の通りです。

前年対比   仕入K数 65%    仕入金額 71%
価格帯
仕入 比率 前年対比
2000円以上 0.5% 39%
1500円 売 2% 53%
1200円 売 4.5% 94%
1000円 売 11% 81%
800円 売 24% 85%
600円 売 15% 73%
500円以上 19% 48%
400円以上 11% 52%
300円以上 13% 44%
     100%    


リーフ茶の売上減により消費地からの注文数が減っているため減産予想が出ているにもかかわらず相場に繁栄されませんでした。 最終盤の1000円前後の価格帯だけは大口ドリンク関連の需要が相場を下支えしました。一番茶で1000円を切って窒素入段ボール納品では採算割との声も聞かれ、お茶では食べていけないと廃業を決める生産者も出ています。 2月の一世帯あたり緑茶購入金額はリーフ茶289円、ドリンク飲料465円と消費者はドリンク飲料により多くお金を支出しています。上級茶・中級茶は余剰気味、ドリンク原料となる下級茶は不足気味の傾向は続きます。 しかし、現在は売れているペットボトルも将来にわたって安泰なわけではありません。有害廃棄物の国境を越えた移動を規制するバーゼル条約によりリサイクル資源として汚れたペットボトルは輸出できなくなり基本的には国内で処理するようになります。 今後は紙パックに変更とか処理費用を付加して販売するなどの対策がとられることが予想されペットボトル飲料の先行きも不透明です。 セブンイレブンはプラスチック製レジ袋の使用量ゼロを目指すと発表しました。我々業界はマイカップ、マイボトルで環境保全推進を強く訴える時期に来ています。

二番茶は6月10日頃から始まりますが、一番茶で二番茶の価格まで下落したこと、昨年在庫が残っていることから二番茶の相場を心配する声も出ています。 *二番茶の仕入時間は一番茶より1時間遅くAM6:00からとなります。
*色沢と水色の良いものが仕入基準となります。



「日 本 昔 話  桃 太 郎」

    先日、NHKの「日本人のお名前」という番組で日本昔話に登場する「桃太郎」「金太郎」は太郎に何故桃や金が付いたのかという内容でした。  詳しくは陰陽五行説によるものらしいのですが、桃・金が付くことによって特別の力が備わった強い太郎になることのようです。特に桃には災いを取り除く力もあって、災いの象徴である鬼退治の昔話がつくられたそうです。  桃太郎は犬・猿・キジの三匹の家来を帯同します。犬は行動力、猿は豊富な知識と知恵、そしてキジは広い視野の確かな情報力をそれぞれが持って桃太郎を補佐します。桃太郎の昔話には現代に通じる経営の要諦が詰まっています。

   経済大国を誇った日本は90年以降、低成長にあえいでいます。そして人口減少や高齢化が急に進み日本丸は沈みそうです。  そして、沈みゆく日本丸のその沈むスピードは加速しているように感じます。戦後の小売業は大量に商品を仕入れ、店頭に山のように積んでおけば買ってもらえました。  他社より安い価格で売るのが勝負でした。その後の経済成長で社会が豊かになると各家庭に必要なモノは揃い慌ててモノを買わなくてもいい時代になりました。売り手が強い時代から買い手が強い時代に変わったのです。  そして世の中の流行と変化するスピードが速くなって消費者の志向の変化についていかなければ淘汰される時代に入りました。世の中にモノがあふれ四六時中スマートフォンでつながって時間感覚の継ぎ目がなくなりました。  個人は場所や国を問わず結びつきスマホでモノを売買するようになりました。消費者が価格だけでなく便利さや時間や品質を重視するようになったのに経営者は時代が変化していることに気付かず対応してこなかったツケが回ってきています。  今、業績が良い小売業は時代の変化に合わせて対応してきた企業です。衣料品のユニクロ、家具のニトリ、そして便利さと時短で支援されたコンビニです。  茶業界も急須で飲む茶葉からペットボトルやティーバッグなど生活スタイルの変化に合わせた商品づくりで対応してきた産地問屋は元気です。
リーダーである桃太郎は自分が置かれている状況を熟知して最強のメンバーを集めました。企業の成長発展の天井は経営者(リーダー)の才覚の天井と同じとよく言われます。 経営者(リーダー)が成長できる人かどうかで企業(チーム)の成長と行き着く先は決まります。キジは広い視野で様々な情報を集めてきます。その情報をもとに猿が対応策に知恵を絞ります。 そして行動力のある犬が一番適切な次の一手を打ちます。そのすべてを取りまとめるのがリーダーである桃太郎です。 例えば自動車関連企業であればコストを下げることはもちろん大切ですが、世界の自動車産業がこの先どう変化するかというマクロ感が重要です。 ガソリン車から電気自動車や水素自動車に、バックミラーはなくなり電子ミラーに、そしてAIによる自動運転車にと変わっていく中で、変化に対応できない次の一手を打てない自動車メーカーは終焉を迎えます。 昔アルバムに張った写真も今はスマホで撮って保存したり送ったりしますので現像する人は少数になりました。先を見越していち早く撮影スタジオに変わったところは生き残っています。 消費者が求める質の向上と時間の節約は今後も続きます。激変する世の中の変化や消費者の志向の変化についていくために今の場所だけで戦っていたのでは会社の成長はありません。 次にやるべきところはどこか常識を打ち破る発想が必要ではないでしょうか。情報を集めるキジ、その情報から次の一手を考える猿、次に戦う場所を選択して実行に移す犬、それらすべてを決定する桃太郎。 桃太郎の昔話は現代に通じる色々なことを示唆しているような気がします。目まぐるしく変化する現代、変化に目を向けなければ取り残されてしまいます。そして、いつどうなるか分からないという危機感と矜持は常に持ち続けることが大切ではないでしょうか。